20.02.26

技術情報

内視鏡用鉗子類の量産加工

内視鏡外科手術用器具の開発動向

1990年に腹腔鏡下胆嚢摘出術が日本に導入されて以来、爆発的に普及し、その適応疾患も急速に拡がりつつあります。この手術方法は従来の手術の概念を全く変えてしまうもので、これまでの外科手術にとって革命的な出来事といえます。
治療期間の短縮により患者様のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上(疼痛の軽減、早期退院、早期社会復帰など)と、医療費の節減が得られる事などから、まさに“理想的な手術”と言われています。
内視鏡手術ではおなかに5ミリから2センチ程度の小さな穴を開け、そこから内視鏡と細い手術器具をおなかの中に入れて手術を行います。これにより内視鏡手術では従来の手術に比べ、非常に小さなきずで手術を行うため、術後の痛みが軽くなり、回復も早くなります。
そのため、低侵襲な手術(体にやさしい手術)と評価されています。

現在では胆石症、総胆管結石症、大腸癌、胃癌、鼠径ヘルニアなどを中心として、適応となる疾患に対して広く多く普及し続けています。それに伴った、より高精度・高機能を持った鉗子や結紮、切開、把持といった複雑な機能を持った器具の開発が進められています。

太盛工業では設計の複雑・高度化が進み、従来の機械加工では実現不可能と言われるような世界最先端の医療用鉗子を始めとした、多くの手術用器具の量産化を実現しています。
内視鏡外科手術用器具の開発動向

MIM化メリット

機械加工では位置決めやチャッキングが難しく、工数が多くなり加工困難な形状部品もμ‐MIMでは安定した量産化が可能です。
特に複雑形状・高精度・高品質な難削材の要求される内視鏡手術部品ではMIM化のメリットが最大限に活かされるケースが多く
医療用途してステンレス系合金や、チタン系、貴金属系様々な難加工材での検討が可能です、
各種メッキ・樹脂コート・絶縁被覆・高機能表面処理技術や異材質複合化なども併せてご相談下さい。

革新的な加工技術を実現するμ-MIMをご検討下さい! ◆加工事例はコチラ◆

鉗子の種類・特徴 : Forceps

鉗子(かんし)とは、血管、腸管、神経などの組織を挟むための道具で、
用途にあわせて把持鉗子、剥離鉗子、ハサミ鉗子などがあり、手術の様々な場面で使い分けられています。
特に近年では低侵襲の外科・消火器内視鏡での手術件数が爆発的に増加しており、様々な症例での
活用に向けた開発も活発に行われています。さらなる人体への負担を軽減すべく小型化・高精度化に向けた
ニーズはもちろん新たな機能や機構を持たせた設計も多様化しており
新たな合金や樹脂との複合化など先端技術の融合が必要とされております。

◆適応可能な材料系はこちらからご確認下さい。◆

剥離鉗子 把持鉗子
メリーランド マンチーナ
ナターシャ ブコック
ドルフィンチップ グラスパー