技術ニュース番外編配信⑦

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

製品開発スピードを最新化する次世代のものづくり 3Dプリンティング

なぜ金属3Dプリンティングに参入するのか?といったご質問を頂くことがあります。そこには3Dプリンティングを導入する事により、加工リードタイムを最小限に抑え、顧客の開発時間を最大化する事により、お客様における最速のものづくりを応援するといった背景があります。今回は3Dプリンティングについてのニュースを配信させて頂きます。

3Dプリンタ室

PM工場の一角に、3Dプリンタ室を設置しました。現在はIncus社のLMM(Lithography-based Metal Manufacturing)方式の3Dプリンターを運用しています。感光性樹脂を使用するため、このプリンタ部屋はイエロールームとなっております。このイエロールームでは、μ-MIM技術を活用した試作や極小ロットの生産体制を整えるべく、島津製作所製の小型真空脱脂焼結炉VHS-CUBEも導入しました。露光による不良発生の恐れなく、焼結体までを得るシステムが構築でき、さらにμ-MIM技術を小さい投資で検討いただけるようになりました。

3Dプリンタ室

3.5D Printing技術とは?

μ-MIM®×金属3Dプリンティング

3.5D Printing技術とは、μ-MIM®技術と金属3Dプリンティング技術を組み合わせた複合技術による新しいソリューションです。LMM方式を中心とした高精度・微小金属造形技術とμ-MIM®(金属粉末射出成形)で培った脱脂焼結、測定評価技術を複合させ、精度±0.1%に迫る金属3Dプリンティングとして世界最高クラスの高精度を実現しながら、単品・小ロット、量産生産まで対応可能です。

3.5D Printingの技術的バックグラウンド

これら全ての技術はμ-MIM®と共通であり、技術的な優位性を持つと同時に顧客が安心して3Dプリンティング、MIM技術を選択できる要素となります。

LMM方式金属3DプリンティングとMIMの活用について

MIMは微小・複雑形状部品を多量に生産する上でメリットの大きい工法です。一方で金型を用いて造形を行うため、金型製作が必須となり、「リードタイム」「イニシャルコスト」の2点が必要となります。そのためMIMの特徴・優位性は認識しながらも「小ロットのため切削加工で」「生産数が読めないため他工法でできる設計に変える」といった開発者のやむを得ない選択がありました。

この状況が変わりつつあるのが「金属3Dプリンティング」の技術です。開発・試作、および小ロット生産を金属3Dプリンティングで行い、本格的な量産の目途が立った際にはMIMを検討するという動きが普及し始めています。
3.5D Printing

展示会出展のお知らせ

メタルジャパン(高機能金属展)に出展いたします。
3Dプリンタを用いて製造した試料も展示いたします。
日本粉末冶金工業会ブース内【37-47】
2023年10月4日~6日、In幕張メッセ

第10回 メタルジャパン 高機能 金属展