μ-MIM技術ニュース Vol.58

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

金属3Dプリンティングの最新動向

2025年11月にフランクフルトで開催されたFormnextでは展示エリアが前回よりも拡張され、積層造形(Additive manufacturing,AM)技術が今もなお成長し、大きな注目を集めていることを確認しました。
特に大型プラスチック3Dプリンティングは目を引き、数メートル規模のデモ造形装置が多数展示されていました。これらの装置には、造形時間の短縮を目的とした直径10センチを超える大口径の材料吐出ヘッドが搭載されていました。
また、金属3Dプリンティングの展示も活発で、複数の大手ビーム方式メーカーの最新装置の展示がありました。造形エリアの大型化に伴い、装置全体はワンルームに匹敵する規模で、生産性向上のため、4本から8本程度の同期ビームを使用するマルチビーム構成を採用しています。
また、ビーム方式AMメーカーによる、チャンバー内に収まらない超大型部品、例えば直径数メートルに及ぶジェットエンジン用部品などの展示もありました。

Formnext 2025の様子▲ Formnext 2025の様子

高精度な微小部品のAM技術

一方で、小型で高精度な金属部品の製造においては、焼結方式AMが有望視されています。ビーム方式と異なり、より微細な金属粉末の採用が可能で、積層厚さを薄くすることで、高精度で微細かつ複雑な部品の製造を実現します。金属粉末メーカーによるガスアトマイズ炉の積極的な投資により、以前は供給が不安定だった微細球状粉末の市場供給量は大きく増加し安定しています。

焼結方式AM技術

焼結方式AMでは、造形工程で成形体(金属粉末がまだ拡散結合していない状態)を作製しますが、金属粉末の供給方式により、パウダーベッド(Powder bed)方式、溶融堆積方式(Fused Deposition)、バット造形方式(Vat Polymerization)の3種類に分類されます。
パウダーベッド方式は、金属粉末の被覆有無により、さらに2つに分類されます。金属粉末の被覆材としては感光性または熱硬化性ポリマーが採用されており、被覆材の種類に応じて、光源または低出力レーザーにより造形が行われます。
一方、被覆をしていない金属粉末を用いて必要な部分にのみ造形材を高精度に塗布するのがバインダージェッティング方式です。
いずれの方式でもビーム方式AMのパウダーベッド方式で採用される粉末より微細な粉末を使用できる点が特徴です。
また、バインダージェット方式で作製された成形体は、焼結ベースAMの中で最もバインダー含有量が少ないため、脱脂工程の処理時間を大幅に短縮することが可能です。
溶融堆積、またはフィラメント方式(Fused Filament Fabrication)は、部品形状の必要な箇所にのみ材料を供給するため、材料使用効率の観点から経済的なAMとされています。
フィラメントは、金属粉末と熱可塑性バインダーから構成されています。金属射出成形(MIM)用のペレットとは異なり、フィラメントは巻き取り可能な柔軟性が求められる一方で、造形時は片持ちやブリッジ構造を実現するための剛性も求められます。
造形中に平行性を維持した張り出し長さは、フィラメント造形技術の性能を評価する重要な指標の一つです。
バット造形方式は、造形エリア全体に1層分のフィードストックを均一に広げる点で、パウダーベッド方式と類似していますが、感光性樹脂に金属粉末を分散させた高粘度のスラリーなので、ブレードで成層します。層厚さは金属粉末の粒径に応じて調整可能であり、より微細な粉末を使用することでより薄い層が得られます。
本方式は、材料の高い粘性によりサポート構造を必要としないことが特長です。
さらに、重合時のスポットサイズはシングルミクロンまで小さくすることも可能であり、高精度な造形を実現します。表面粗度はMIMに比べて低いですが、焼結体はMIMと同等の密度が得られます。

AMとMIMをつなぐμ-MIM技術

当社では高精度な造形と高密度焼結体が得られ、MIM量産に使用する金属粉末を使用できるIncus社のバット造形方式装置を導入しています。
我々が高精度な金属部品の試作から量産まで対応します。

展示会情報

MD&M West

会期:2026年2月3日(火)-5日(木)
会場:アナハイムコンベンションセンター #3499
https://www.mdmwest.com/en/show-information/show-sectors/medical.html

Medtec Japan

会期:2026年4月21日(火)-23日(木)
会場:東京ビッグサイト 東7ホール #309/#409 (微細加工工業会共同出展)
https://medtecjapan.com/