13.11.01

技術情報

ドイツMEDICA(メディカ)2013 国際医療機器展に出展しました

MIMを用いた高機能 磁性部品

磁力を保持する力が小さく、透磁性が大きい材料のことを軟磁性材料と呼びます。
軟磁性材料は磁場の影響下では強く磁化されますが、磁場が存在しない場合は磁力を持たない性質を持ち、多くの業界で利用される付加価値の高い材料です。

軟磁性材料の部品は主に家電機器やコンピューター関連の事務機器、あるいは一般産業機器部品として採用されており、現在では各種空油圧機器、自動車エンジンの燃料噴射装置の電磁弁をはじめとして、ソレノイドコア、インジェクタコア、プランジャー、トルクセンサコア、各種センサー等、さまざまな用途で用いられています。

特に軟磁性部品の中でも、高精度や微細形状を要求される部品の多くは、現状切削加工や粉末冶金法を用いて製作されていますが、課題も数多く存在しています。そこで太盛工業ではMIMによる磁性部品の製造研究に取り組み、実用化に至る所まで漕ぎ着けることができました(経済産業省 戦略的基盤技術高度化支援事業 採択)。

MIM技術の特徴である、複雑形状への対応、大ロットへの対応、高い材料歩留まり性を活かした形で、ネットシェイプでの軟磁性部品 製造へ応用することができ、軟磁性部品を高精度で製作可能です。
フェライト系ステンレスからFe3Si、パーマロイといった材質まで製造可能です。
寸法精度は±0.2%、密度は粉末冶金を大きく超える98%まで製造可能で、切削加工と比較すると、形状によりますが1/10まで製品1個当たりのコストを下げることも可能です。

 

【磁性材料の新MIM技術の特長】

  • 溶製材相当の磁気特性
  • 高寸法精度
  • 低コスト
  • 高密度

【従来MIMのメリット】

  • 複雑形状が可能(設計の自由度が大)
  • 高生産性
  • 低コスト(材料歩留まりが高い)

【MIMにおける磁性材料の代表的材質】

  • SUS410L(フェライト系ステンレス、耐食性、高電気抵抗)
  • Fe-3%Si(高磁束密度、高周波数、低保磁力)
  • Fe-Ni(パーマロイ、高透磁率、高磁束密度、高抵抗、低周波数、低保磁力)