03.06.16

技術情報

MIM異種材料のサンドイッチ成形

プラスチック成形加工学会2003春

概要:



金属射出成形法(MIM: Metal Injection Molding)は,従来の粉末冶金法の技術である圧粉焼結法と,プラスチック射出成形法を組み合わせた複合の成形技術である.金属粉末に有機バインダを混練して,プラスチック射出成形の場合と同様に,これを可塑化して金型に射出し,寸法精度の高い金属製品をニアネットシェイプで安定して量産が可能な製造技術である.また難加工材の成形にも適しており,耐熱鋼や高硬度鋼製品,さらにマイクロ製品の加工法として注目されている.
一方,インサート成形のように2種類以上の材質を組み合わせた複合部品の製造事例は多く存在するが,2色同時射出成形法によって異種の材質を用いた金属製品を製造した事例はほとんど見当たらない.
本研究は,応用射出成形法として,2色異材質射出成形機を用いて異種金属粉末の2色射出成形を試みた.2色射出成形に用いる材料特性の組合せや,それら2つの射出開始時期の遅延時間など数多くの成形制御因子が存在すると考えられる.そのため,射出速度や射出遅延時間などの成形条件を種々変化させて2色射出成形を行い,成形体における異種金属粉末材料の充填挙動の差異を調査した.