04.03.19

論文

金属粉末射出成形によるマイクロ部品の製造とその力学的特性の評価

日本機械学会2003年度年次大会講演論文集Vol.I


概要

近年,マイクロシステム技術(MST)やMicro-Electro-Mechanical Systems(MEMS)など半導体製造工程を利用した超精密加工技術が注目され,その実用化に向けて活発に研究開発が進められている.これらの技術を用いたマイクロサイズの構造体の製品を量産化するためにはマイクロ射出成形-MIM, Micro Metal Injection Molding)が有効である.この材質の多くは粘度の低い樹脂であるため流動性に優れ,微細構造を有する型への転写性に優れる.この製造法は,金属粉末とバインダを混練した原料を射出成形し,脱脂および焼結工程によりバインダを分解し粉末を焼結させる.しかし,マイクロ放電加工やレーザー加工,さらにLIGAプロセスにより作製された超微細金型を用いたマイクロMIMでは,1)成形の際の微細構造孔への原料の未充填,2)脱脂の際の溶融バインダの流動による微細構造成形体の変形,3)焼結時の収縮による微細構造成形体の変形や破損など,克服すべき課題も多い.すなわち,μ-MIMに特化した原材料の選定および金型設計や射出条件,脱脂・焼結条件の最適化に加え,μ-MIMの評価も微視的スケールで実施する必要がある.本研究では,マイクロダンベル試験片をMIMにより作製し,マイクロ評価法の有用性について調査検討したのでその結果を報告する.