切削が不要!高精度中空部品を一体化 R形状中空 MIMパイプ/R形状中空 MIMコネクタ

一般的なMIMや粉末冶金では離型出来ない複雑形状部品も、3D-MIM®技術で安定した品質で量産します。

サイズ:12.3㎜*12.7㎜*18.6㎜

医療 産業機器 通信 光学機器 ノズル パイプ 内視鏡部品 ステンレス 1g以上 リードタイム短縮 高精度な量産 中空構造 アンダーカット形状 自由曲面 3Dプリンタ

名称 切削が不要!高精度中空部品を一体化 R形状中空 MIMパイプ/R形状中空 MIMコネクタ
業種 医療 産業機器 通信 光学機器
製品 ノズル パイプ 内視鏡部品
材質 ステンレス、その他
精度 ±0.3%以下
重量 4g
サイズ 12.3㎜*12.7㎜*18.6㎜
形状特性 アンダーカットを有する複雑形状
備考

R形状中空MIM(金属粉末射出成形)製品事例:複雑形状の量産課題を解決する3D-μMIM®技術

される部品の製造は、長らく製造業における大きな課題でした。
特にR形状を有しながら内部に中空構造やアンダーカットを持つ部品は、従来の工法ではコスト、時間、品質の面で限界がありました。
困難な課題を打破し、お客様の革新的な製品開発を力強く支援しています。

以下に、R形状中空MIMパイプとR形状中空MIMコネクタの事例を基に、お客様の課題解決から設計の自由実現、そして成功事例に至るまでの道のりを解説します。

【お客様が直面していた課題】

高機能化・小型化が進む現代の産業機器、医療機器、通信機器分野において、お客様は部品製造に関して複数の深刻な課題に直面していました。

複雑な形状の製造と離型性の限界

最も大きな課題は、R形状のような立体的な曲面構造を持ちながら、内部に中空構造を必要とし、さらにアンダーカット(金型から単純に引き抜けない形状)を有する部品の製造でした。

①従来のMIMの限界:

では、部品を成形し金型から取り出す(離型)工程が必須となります。
しかし、アンダーカットや複雑な中空構造が存在すると、金型が物理的に干渉し、部品を壊さずに取り出すことが不可能でした。

②高精度な切削加工の非効率性:

複雑なR形状や中空を切削加工で実現しようとすると、複数の工程を経る必要があり、加工時間が大幅に増大します。
特にパイプやコネクタといった中空部品の内部を削り出す作業は難易度が高く、工具の消耗も激しいため、極端なコスト高となり、量産体制の構築が不可能でした。

高精度と量産安定性の両立

部品が高性能な機器に組み込まれる特性上、単に形状を再現するだけでなく、高い寸法精度と安定した品質が求められていました。

①品質のバラつき:

従来の工法で複雑形状を無理に実現しようとすると、工程が複雑化し、個体差(バラつき)が生じやすくなります。

特に医療機器や光学機器では、わずかな寸法誤差が製品全体の機能不全に直結するため、厳格な品質基準を満たすことが困難でした。
これらの課題は、お客様の製品の小型化、高性能化、そして市場投入のスピードを大きく阻害していました。

【解決策】
お客様の切実な課題を解決するために導入されたのが、太盛工業株式会社が独自に開発した革新的な技術、3D-μMIM®です。

3D-μMIM®の適用

この工法は、一般的なMIM技術を根底から覆すもので、「離型できない形状」の製造を可能にするという画期的なアプローチを採用しています。

①犠牲樹脂の利用:

部品の内部構造、特にアンダーカットや複雑なR形状中空部分を形成するために、一時的に内部に犠牲樹脂材を配置します。

②ネットシェイプ成形:

この犠牲樹脂を金型内に組み込んだ状態で金属粉末と樹脂を混合した原料(フィードストック)をオーバーモールドします。

これにより、外部からは金型で離型可能な形状として成形され、複雑な内部形状が犠牲樹脂によって正確に形成されます。

③犠牲樹脂除去と焼結:

オーバーモールドされた成形体は、その後のMIMの脱脂工程の際に、犠牲樹脂型が完全に分解・除去されます。

犠牲樹脂が除去され、金属粉末の集合体となった部品は、焼結工程を経て緻密な金属部品(焼結体)相対密度98.5%以上を達成します。

このプロセスにより、従来の工法では不可能だった複雑な中空構造が完全に実現されます。

【設計の自由実現】

3D-μMIM®技術は、単なる製造技術の向上に留まらず、お客様の「設計の自由度」を飛躍的に高めることに成功しました。

形状制約からの解放

従来の製造技術では「この形状は作れない」と諦めざるを得なかった設計が、3D-μMIM®によって可能になりました。

①複雑な中空構造の実現:

R形状のカーブに沿った内部流路(中空)や、複数の分岐を持つ流路など、複雑な内部設計が求められる部品を樹脂製の入子(犠牲型)インサート成形することで従来の金型では離型できない複雑形状(ロストコアプロセス)の部品を、高精度に量産することが可能となりました。

②部品の一体化による革新:

複数の部品を溶接や接着でつなぎ合わせていた複雑なユニットを、一つの部品として一体成形できるようになりました。

これにより、組み立て工数の大幅な削減、部品点数の減少、溶接箇所からの液漏れ・強度不足のリスク解消、そして製品全体のダウンサイジングを同時に実現しました。

3Dプリンタも凌駕する量産性

近年、複雑形状の試作に用いられる3Dプリンタですが、精度、コスト、量産性の面で課題が残ります。

3D-μMIM®は、アンダーカットや自由曲面を、高い寸法精度を維持しながら量産レベルで提供できます。

これは、試作品設計の革新的な形状を、そのまま高精度な量産品へとシームレスに移行できることを意味し、開発スピードの加速に貢献しています。

【成功事例】

R形状中空MIM製品の導入は、お客様の製品競争力を劇的に向上させ、以下の成功を収めました。

高品質・高精度の安定供

①要求精度をクリアした量産体制:
高度な産業機器で使用されるR形状中空MIMパイプは、厳格な品質基準の下、高精度で安定的に量産されています。

②高い品質保証体制:
厳密な検査体制により、厳格な品質保証を達成。お客様は安心して、当社の部品を基幹製品に組み込むことができるようになりました。

コスト削減とリードタイムの短縮

①ネットシェイプによる工程削減:
従来の切削加工では必須だった複雑な後加工(研磨、穴あけなど)を、ネットシェイプで製造することで大幅に削減または不要にしました。
これにより、製造コストが大幅に低減し、量産部品の収益性が向上しました。

②迅速な市場投入:
部品の一体化と工程の単純化により、試作から量産への移行がスムーズになり、リードタイムを短縮。
お客様の製品を競合他社に先駆けて市場に投入することに貢献しました。

これらの成功事例は、R形状中空MIM製品が、単なる部品ではなく、お客様の「ものづくり」そのものの革新に貢献するソリューションであることを証明しています。

複雑な形状の量産にお悩みであれば、ぜひ一度、3D-μMIM®技術にご相談ください。