Technique
技術ニュースレター
μ-MIM技術ニュース Vol.48
精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter
「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!
品質管理DX ~新たな品質管理手法の導入~ その1
昨今、国内外で相次ぐ品質不正事件の影響もあり、モノづくりの品質管理において求められる水準は高まっています。しかし、従来の手法で求められる水準を満たす品質管理を行おうとすると、現場に相当な負担がかかります。弊社では新たな品質管理手法としてSPC(統計的処理制御)の採用と、そのSPC実現のためのツールとしてPiWebというソフトウェアの導入を試みています。今回は、品質管理手法の1つであるSPCとソフトウェアPiWebについて紹介します。
SPCについて
SPCは、Statistical Process Controlの略で、製造業だけでなくサービス業でも使われるプロセス管理の方法です。大まかな内容は以下のとおりです。
手順①:プロセス中に得られるデータを収集する。
手順②:収集したデータから正常状態の基準となる指標を定める。
手順③:②で作った指標と最新のデータを比較し、異常が無いか監視する。
手順④:データに異常が見られた場合、その原因を特定するための分析を行い、対策を講じる。
以上を継続的に行っていくことが、SPCの品質管理の特徴です。MIMの製造工程では、寸法・硬度など製品自体のデータ、成形機・焼結温度など生産設備に関するデータ、製造日時など製造現場の環境に関するデータなどを記録しています。これらのデータを収集し、製品の正常状態を定義し、小さな変化を見える化します。そして、既に普及しているQC7つ道具などを用いて日々の製品データを正常状態と比較することで、異常を検知した場合、原因分析、対策へ迅速に取りかかることができます。
PiWebについて
PiWebは、ZEISS社が提供する品質データ管理用ITソフトウェアで、様々な測定機から得られる測定データの一元管理を実現します。このソフトウェア上で収集したデータを統計的処理し、製造工程の変化を見える化することで、工程の監視、異常検知に役立てています。
例えば、上記のようなX̄管理図は、製品の品質をグラフ化し、変化に気づきやすくするためのツールです。設計値を中心線、その上下に上方管理限界線(UCL)と下方管理限界線(LCL)を表示し、取得したデータの推移を折れ線グラフで表示しています。収集データから限界線は自動で計算されるため、前もって定義した正常状態にUCLとLCLが設定されるよう、データを処理する必要があります(SPCの手順②)。その後、製品の製造と測定が行われる毎にグラフが更新されるため、製品およびその製造工程の最新状態を監視することができます。
今回は、SPCを用いた品質管理について説明しました。次回は、PiWeb導入のもう一つの狙いである、品質管理の効率化の話をします。
展示会情報
ヘルスケア・医療機器開発展に出展します!
会期 : 2024年6月19日(水)~6月21日(金)
会場 : 東京ビッグサイト
ご来場をお待ちしております。

コラム
初めまして、オ・チャンソンと申します。
2023年6月に入社して、10ヶ月経ちました。もうすぐ1年になります。
現在は、製造の焼結工程で働いています。主に工程管理、成形体の溶媒抽出を担当しています。いつも最善をつくし、最大限ミスをしないというマインドで仕事をしています。
休みの日には家で休んだりゲームをしたり、カラオケに行ったり、たまに観光地に遊びに行ったりします。写真は奈良公園に行った時に撮ったものです。鹿たちが可愛くて、見るものも多くて楽しかったです。
