μ-MIM技術ニュース Vol.3

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.なんとコストを10分の1まで削減!

機械加工から MIM への置き換えによるVA/VE コストダウンの成功事例

一般に製造業の世界では、部品点数の増加はコストに対して2乗されて影響を与えてしまうと言われています。常識的なことですが、部品点数は少ない方がコストダウン、品質向上につながります。
MIM による部品製作の大きな特徴のひとつは部品の一体成形が可能なことです。例えば従来は複数の切削加工部品を組み合わせて作っていた部品も、MIM であれば金型への射出成形で一度に得ることができるため複雑な部品であっても形状によっては大幅なコストダウンを図ることが可能です。

上写真は実際に太盛工業でご提案した MIM の利用によるコストダウン事例です。従来は4つの部品を組み合わせて製作していたカム部品ですが、加工、組立工数等を削減し、MIM による一体成形で大幅なコストダウンを実現できました。この4つの部品は切削加工によって作られており、一式で10000円近い高精度のカム部品です。太盛工業ではこの部品を、MIM によりコストを10分の1以下、1000円以内のコストにまで収めることに成功しました。

要求精度は組み上がった段階で100分の1と、機械加工並の高精度でしたが、品質面でも問題なくOK を頂きました。MIM の活用による高精度部品のネットシェイプ製作のご相談は太盛工業まで!

2. CAE による MIM の成形解析

事前解析によりスピード立上げを実現!

太盛工業がお客様から図面を頂いた次にすることは MIM における CAE です。今でこそ一般的になった CAE ですが、太盛工業では CAE が広く普及する前から各種プログラムを駆使して成形前の解析を実施、各種条件を最適化するように検証を加え続けてきました。その経験から現在は全く新規の形状であっても、ほぼ一発で目標の形状を高精度に得ることができるようになっています。MIM 部品のスピード立上げは太盛工業にお任せ下さい。

3. 複雑形状部品の品質保証

3次元データの活用による誤差修正

複雑形状や自由曲面を持つ部品は、従来の接触式測定法では、反りや歪みといった設計図面からの誤差の実態把握が困難です。そこで太盛工業では非接触光学式3次元スキャナーを用い、金型、試作品、射出成形体、焼結体を製品に触れることなく全ての表面状態と形状を3次元データとして取得します。この取得した3次元データと元の製品3次元CAD データを比較検証することで、誤差を検出し解析を行っています。このプロセスを経ることで、通常は定点測定による測定しかできない部品であったとしても、製品の全体形状について高い精度の保証を行うことができます。またこの手法を応用したリバースエンジニアリングにも力を入れており、各種ご相談に対応が可能です。高精度の複雑形状部品はμ-MIM®の太盛工業にご相談下さい。

4.東大阪リサーチラボのご紹介

太盛工業の技術を支える研究開発部門

太盛工業は東大阪のクリエイション・コアに研究開発用のラボを保有しています。X線CT装置や走査型電子顕微鏡(SEM)、日本に 2 台しか存在しないオーストリア製のマイクロ射出成形機など、最先端の研究開発設備を備えています。超高精度 MIM をはじめとした研究を行っています。見学大歓迎ですのでぜひ一度お越し下さい!

5.今後の展示会・学会情報

太盛工業は 4 月にドイツ、ハノーバーメッセに出展しました!次の展示会は 6 月のアメリカの MD&MEast です。MD&M Eastは世界最大級の医療関連の展示会。3000 のサプライヤーが集まる展示会ですが、その中でも当社は世界最高レベルの超精密MIM の技術で世界の医療、製造業に貢献します。

<展示会・学会 予定>
5 月 粉末冶金 春季大会 (早稲田大)
6 月 MD&M East 2013 (アメリカ)
9 月 機械学会年次大会 (岡山大)、Euro PM 2013 (スウェーデン)
10 月 Fuel Cell Seminar & Energy Exposition 2013(アメリカ)
11 月 Medica 2013 (ドイツ)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

初めまして、太盛工業 生産管理の森田です。わたくしの趣味は宝塚歌劇団の観劇です。その一番の魅力はプロ意識を感じさせる、養成学校のころから徹底されている礼儀作法。劇団の顔となるトップスターともなれば、完璧な所作を身に付けています。特に柚希礼音が最高です。これは会社や個人においてもとても勉強になることだと思っています。宝塚、いいですよ。