μ-MIM技術ニュース Vol.16

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.MIM をご検討の方に朗報!『金型レス』試作サービスのご案内

金型費用ゼロから MIM 試作が可能!

以前のニュースでもお伝えしてきましたが、 太盛工業では MIM 部品を手軽に、早く試して 頂くための手法を新たに開発、MIM 部品の 金型レス試作サービスを行っています。
「新製品の設計で MIM を検討したいんだけ ど、試作金型費用がネックで・・・」、「実際の MIM の試作部品を使って強度試験等を試し たいんだけど、納期とコストが・・・」、こういった お客様のニーズに応えるために開発した技術 で、安くとも 30 万円近く、納期も 1 ヶ月以上か かる試作金型の製作工程を省略することによ り大幅なコストダウンとリードタイム短縮を実現 することができます。

この手法では、規格化した共通形状(例:直 方体など)で金型による成形を行い(グリーン 体を成形)、その後に切削加工で形状を作り、 焼結を行うことで MIM 部品が完成します。
試作する部品の形状にもよりますが、これまで の MIM 製品開発・試作スピードアップの妨げ のひとつとなっていた試作金型に関する課題 を解決することができ、お客様の製品開発の 工程に劇的なコストダウンとスピードアップを 実現できます。ぜひお問合せください。

2.μ-MIM を実現する技術

プラスチック成形技術を MIM へ応用

MIM はもともとプラスチック射出成形を元に した工法であるため、これらの技術が数多く活 用されています。中でも太盛工業のμ-MIM 製作の過程で活用に成功した技術のひとつと して、ホットランナーの技術があります。
ランナーとは溶融した成形材料をスプルー からキャビティの部分にまで導く部分のことで すが、一般的な射出成形金型の方式であるコ ールドランナー方式では、金型内で成形され た成形物以外にも、スプルー・ランナー部分 が冷却されるまで成形物を離形することがで きず、成形時間の増加をもたらしてしまいま す。また成形物と関係のないスプルー・ランナ ー部分は不要なため、特に高価な MIM 材料 の材料歩留まり悪化によるコストアップにつな がってしまいます。

これに対しホットランナーとは、成形材料を 金型へと射出した際に、金型への流路中で熱 せられた材料が冷えないように、通り道(スプ ルー・ランナー)周りのブロックを加熱するため のシステムです。ランナーの排出がないため プラスチック材料の歩留まりがよく、特に多量 生産の成形時に効果が大きくなる手法です。
MIM の場合はさらにこのホットランナー方式 によるメリットが大きくなります。材料歩留まりの 改善のほかに、MIM の成形材料は金属粉末 と樹脂の混合になるためランナー内での温度 分布や部分ごとの冷却速度が異なると、金属 粉末の偏りが発生し易くなり、高精度、高精細 のμ-MIM の場合は製品不良へとつながるケ ースがあります。ホットランナー方式はこういっ たトラブルを緩和できるため、μ-MIM の製作 において重要な役割を担っているのです。

3.東京営業所が移転いたしました。

8 月 21 日より、太盛工業の東京オフィスがこ れまでの品川オフィスから虎ノ門に移転いたし ました。今後はこちらが東京における太盛工業 の窓口となりますのでよろしくお願いします!

4.太盛工業の MIM 展示のご紹介

太盛工業は MIM のサンプル展示の際にもこ だわりがあります。下記は6月の機械要素技術 展の展示物の一部ですが、MIM の高精細、 高付加価値が伝わるよう、ブースや展示物に 毎回工夫を凝らしています。展示会等の際に はぜひ太盛工業のブースにお越しください!

<今後の展示会・学会 予定>
2014 年 9 月 精密工学会、日本機械学会
2014 年 10 月 塑性加工学会
2014 年 11 月 成形加工学会

太盛工業の社員が語る今月のコラム

こんにちは、太盛工業の清水と申します。今年 から太盛工業に新卒で入社いたしました。現在は 品質管理部でお客様の元へ出荷する MIM 製品の検 査を担当しています。ミスが許されない工程です ので毎日緊張感を持って仕事をしています。仕事 後や休日はよく本を読んでいます。中でも推理小 説やミステリーが好きで、最近ハマっているのは ちょっと古典になりますけど、横溝正史の「金田 一耕助」シリーズ。もちろん最近の小説もいいん ですけど、文章や人物になんとも言えない魅力が あってハマり中です。オススメですのでぜひ!