μ-MIM技術ニュース Vol.17

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.世界最小レベル!超々微小ギアは 太盛工業のμ-MIM が実現します

機械加工の限界を超える、μ-MIM ギア

直径数ミリ以下の超小型ギアは超小型モー ターや回転部分に用いられ、重要な機構部品 となります。太盛工業にこの数年で多いご依頼 のひとつは、「機械加工では日本のどの会社 でも作ることができない、超小型のギアを量産 してほしい」というものです。
ギアの大きさはモジュールという単位で表さ れますが、これはギアのピッチ円直径をギア の歯数で割った、指数のことを言います。
一般に機械加工によるギア加工の限界はモ ジュール 0.15 前後と言われています。これより さらに小さくなると量産性が極めて悪く、ギア 自体も非常に高価になってしまいます。

この微小ギア加工の課題は、太盛工業のμ -MIM ならば解決が容易です。MIM はもともと 金型を利用した量産を前提とした技術である ため量産性の問題はクリアできます。またMIM は成形後に焼結を行いますが、この焼結の際 には金属粒子の焼結により成形時、つまり金 型のサイズより小さく収縮します。従って機械 加工によって製作された金型のサイズよりも小 さいサイズのギアを狙って作っていくことが可 能になるのです。
もちろん、これは収縮のサイズをミクロン オーダーで把握、管理することができること が前提となります。μ-MIM の本領はこの点 にあります。圧倒的な基礎研究と実際の検 証の量、シミュレーション技術が太盛工業の μ-MIM の技術を支えています。超小型ギ アを設計の際はμ-MIM をご検討ください。

2.インターナルギアは MIM が最適

コスト高な内歯歯車は、μ-MIM による製作をご検討ください

先ほどご紹介した外歯歯車はもちろんです が、内歯の歯車もμ-MIM による製作が多い ギアです。内歯の歯車を機械加工によって製 作しようとすると、加工工数が外歯歯車よりも 大幅に多くなります。従って外歯歯車よりも内 歯歯車の方が一般的にコスト高になります。
μ-MIM の場合は金型による製作になるた め、特にロット部品については部品1個あたり、 30%~80%といった非常に大きなコストダウンを 実現することも可能です。ミクロンオーダーを 持つギア製作はμ-MIM におまかせください。

3.ドイツ出張のご報告

8月に太盛工業は営業訪問と欧州のMIM 使用の実状調査のためドイツ出張を行いま した。その結果、「日本で機械加工を行って いる部品も MIM 化が進んでいること」、 「MIM 部品の精度と MIM 材料選択の幅とい う点においては、μ-MIM がドイツのMIMより 優れていること」が分かりました。
特に歓迎されたのは材料選択幅で、欧州や アジアの会社が大手メーカーで標準化され たバインダを使用しており、太盛工業の数分の1の材料幅でしか MIM を作ることができ ないことがわかりました。自社の欧州での優 位性が分かり、実りの多い出張となりました。

4.出張MIMセミナーのご案内

「MIM 部品の設計って実際どうしたらい い?」「社内で MIM の経験がないんだけど」 「今使っている MIM の品質が安定しない・・・」 などのお困りごとや疑問について、太盛工業で はお客様の会社へ出張して技術セミナーを行 っています。またサンプル品のミニ展示会も同 時に実施可能です。MIM のことをもっと知りた いという方、ぜひご連絡を!

<今後の展示会・学会 予定>
2014 年 10 月 塑性加工学会
2014 年 11 月 成形加工学会
2014 年 11 月 MEDICA 2014(ドイツ)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

こんにちは、太盛工業の中岡と申します。今年から太盛工業に入社いたしました。製造技術部にて、お客様の MIM 部品の試作等を主に担当していく予定です。実家は長崎でいちご農園を営んでおり、今年の春は私も収穫に携わりました。いちごは江戸時代にオランダから持ち込まれ、実は長崎は日本のいちごの始まりの地なのです。いちごは長崎県産をおススメします。色々ないちごブランドがありますが、最近のイチオシは「ゆめのか」。 長崎の「ゆめのか」は見かけたら即、買いですよ。