μ-MIM技術ニュース Vol.25

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.μ-MIM ® が実現する新技術

他社では不可能な高面粗度まで実現!

MIM に関して特に近年よくいただくご質問のひとつに「面粗度」についてのものがあります。
MIM はもともと粉末冶金から派生したと言える技術で、実際に学術上の分類は粉末冶金に属します。そのため、製品表面については梨地面のような焼結金属のスペックが標準的なものだと思われているエンジニアの方も実際に多くいらっしゃいます。そこで今回は太盛工業のμ-MIM®で実現可能な面粗度についてご説明いたします。

MIM 部品においてよく用いる面粗度は、Ra(算術平均高さ)とRz(最大高さ粗さ)の2種類です。プレス焼結金属と MIM は双方微小金属粉末を材料としますが、プレス焼結の場合は金属内部に 5~30%の空隙が残ります。MIM においてはこの空隙が2~3%程度であるため、非常に密であり、表面に存在する金属粉末の粒径に面粗度が大きく関わります。
理論的には金属粉末粒径を小さくすればするほど、より密な、表面も滑らかな MIM 製品ができますが、実際上、粒径が小さすぎるとMIMの成形や焼結時のコントロールが困難になるため、鏡面レベルの面粗度をMIMで実現することは世界でも太盛工業の他は不可能に近いレベルの話となります。高面粗度の MIM 製品はぜひ太盛工業に一度ご相談ください。

2.香るアクセサリーが発売開始

香水よりも香りが持続!多孔質金属でまったく新しいアクセサリーを実現しました

これまでのニュースでもお伝えしてきたように、太盛工業では自社で開発した多孔質金属を「香る金属」としてアクセサリー用材料として発表しました。液体の保持、徐放機能を活かしてのアイテムづくりが可能になると考えてきたからです。今回、この香る金属が、実際に女性向けアクセサリーとして、デザイン・制作ナチュラルセンスさまの監修のもと、商品化・発売開始されました!

デザインモチーフは、ヨーロッパやイギリスで18世紀を中心にアンティークジュエリーに見られるアイジュエリーです。「貴方を見守る」というメッセージを込めたデザインです。ナチュラルセンスさんでは、香る機能をもたせたフォトフレームやクッション、ジュエリー等、香るアクセサリーの受注制作を受付けています。
実際の機能面でも多孔質金属は優れており、下記のグラフにもあるように、布繊維や人肌と比較しても、多孔質金属はより長い時間香りを保つことが分かります。つまり香水などを肌につけたときよりも長い時間、香りを保持することができるのです。今後も太盛工業では機能性金属で新しいものづくりを実現します!

3. 粉末冶金協会で論文賞を受賞

太盛工業は香川大学と共同で粉末冶金協会にて平成26年度の論文賞を受賞しました。この論文賞は、粉末冶金協会の学会誌「粉体および粉末冶金」に掲載された 1 年間の論文のうち、特に優秀な論文を賞するものです。
受賞論文「多結晶ニッケル粉末成形体の焼結初期における粒成長挙動」は香川大学と太盛工業の共同投稿論文で、当社からは3名が受賞しました。今後もより一層の技術の深化のため、太盛工業は研究開発を続けてまいります。

<今後の展示会・学会 予定>
2015 年 11 月 アジア粉末冶金国際会議(京都)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

こんにちは。生産管理部の山下と申します。生産管理部で主に製品の入出庫管理を行っています!この入出庫管理はお客様に製品をお届けする最終の工程にあたるため、絶対間違えられない箇所です。そのため確認作業には誰よりも気をつかうようにしています。個人的趣味は、昔は射撃で、甲斐犬を連れて、大台山系や大峰山系に鹿や猪を狩りに行っていました。今は犬を連れての散歩に落ち着いています。孫娘も小3と大きくなってきたので、各イベントを楽しみにしています。