μ-MIM技術ニュース Vol.26

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1.μ-MIM ® が実現する新技術

1/100 スケールの微小・微細・精密形状加工のコストダウンを実現します。

今回はよくお客様からいただく、「μ-MIM®の精度はどのくらいなのか」という質問にお答えします。MIM は前提として金型による成形を行うため、MIM 部品の精度は金型精度、焼結時の形状変形の制御技術に依存します。
下記写真は、冒頭のご質問へお答えするために製作したサンプルワークの一つです。
「雪の結晶」を模した MIM の焼結後の拡大写真で、実際の雪の結晶サイズ10μm と同サイズの製作を実現しています。金型設計はもちろん、MIM 材料の製造技術、焼結温度や時間の設定など、太盛工業が持つ技術を注ぎ込んで製作した、微細加工技術の証明です。微細部品の量産生産や小型化、一体化など、ぜひ太盛工業にご相談ください。

2. 難加工材の MIM 化

タングステン合金・銅を MIM 化します。

太盛工業のμ-MIM®は、これまでお客様の製品・技術開発に伴い、お客様の部品を「より小さく」「より強く」「より複雑」「より精密に」製作することを実現してきました。近年よりお客様より問合せが増えている材料は、耐摩耗性に優れたタングステン合金や、熱伝導性・導電性に優れた銅の MIM 化です。
太盛工業では現在タングステン合金や、純銅、銅合金といった材料の MIM の安定製造に成功しています。微小、微細形状部品の更なる小型化や長寿命化、コストダウンといったテーマを、ぜひ太盛工業にご相談ください。
太盛工業は、μ-MIM®でお客様製品の高機能化、高付加価値化をサポートします。

3. ナノスケール多孔質金属を新開発

『1グラムあたり100㎡』の比表面積を実現

多孔質金属の活用例のひとつとして、通常の金属材料と異なる比表面積の活用があります。例えば電極や冷却部品等の用途であれば、単位体積あたりに金属部品がどれだけの比表面積を持っているかという点は設計時に考慮すべき重要な点となります。
このたび太盛工業は東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)と共同研究を行い、マイクロメートルとナノメートルのそれぞれのレベルで多孔質構造を持つ階層的多孔質金属の大量生産プロセスを確立しました。
この新たなナノスケールの多孔質構造を持つ高機能金属の比表面積は、1グラムあたりおよそ100㎡に及びます。
従来はナノサイズの構造を安定的に構築することに課題があり、量産手法を確立することができませんでしたが、東北大学と協力することにより、ナノポーラスの作製に成功しましたこの新開発の金属の応用例として、太盛工業ではナノポーラス構造を持ったニッケル金属部品を本手法により製作、高性能なスーパーキャパシタや、水の電気分解における酸素生成極として、極めて高い性能を持つことを検証することができました。
太盛工業では今後も産学連携、R&D を続け、より高付加価値な製品を実現できる、高機能性金属の開発に注力していきます。

4. MEDIX出展のご報告

太盛工業は 6 月に機械要素技術展と併設で開催された医療機器開発・製造展(MEDIX)出展致しました。会場では今回新たに太盛工業がμ-MIM®の技術を用いて製作した「世界最小逆止弁」や、今回のニュースで取り上げた雪の結晶を模したサンプルワーク等を展示致しました。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました!

<今後の展示会・学会 予定>
2015 年 11 月 アジア粉末冶金国際会議(京都)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

こんにちは!太盛工業の金井と申します。よく質問を受けるんですけど、千洲で「ちさと」と読みます。主な業務内容は品質管理部内での仕事内容に携わってます。写真はオーストラリアに留学してたときの写真です。私の仕事が、お客さまのところにお届けする前の、社内最後の仕事になるので、絶対に不良品を出さないように努めています。趣味は、ものまねを見ることがすきで、特にコロッケさんが大好きです。最近は休日に友達と食べ歩きのプチ旅行にいくのにはまっています。