μ-MIM技術ニュース Vol.30

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

1. 微細構造の評価は X 線 CT で!

より小さく、より複雑な形状も保証

製品形状等が微細化、複雑化していくとその加工技術の開発はもちろんですが、それ以上に重要な課題となるのが測定評価です。
どれだけの難加工技術が実現できたとしても、その評価が正確にできなければ技術の確立、保証を行うことはできません。この課題は、金属材料・部品の微細、精密、微小、高機能化といったテーマを追う太盛工業にとっては非常に重要なテーマです。
太盛工業で新しく導入したX線CTシステムは、非破壊にて精密部品の内部形状測定、3Dスキャニング、精度測定を行うことができる測定システムです。
例えば、太盛工業の独自開発技術である多孔質金属体(1-1.写真)のように金属材に数十~数ミクロンの空孔をもつ材料は電子顕微鏡を用いることにより、表面観察が可能です。しかし多孔質体の内部構造を調べようとすると途端に難易度が大きく上がります。多孔質体の断面を観察することで内部構造を見ようとしても、試料に負荷をかけずに精密な断面試料を機械的に得ることが容易ではありません。負荷がかかってしまうと、元々の構造がどうなっていたかを正確に知ることは不可能です。

しかし高精度な X 線 CT システムを利用すれば、多孔質体の内部の状態をそのままの形で確認することが可能となります(1-2.写真)。測定データを 3 次元で、かつ一切の負荷を試料にかけることなく非破壊で得ることができます。

3 次元データが非接触測定で得られることによるメリットはいくつもありますが、特に多孔質体の場合は、空孔部体積の算出や、空孔断面積、空孔平均径の統計処理まで可能になるため、機能に大きく関わる数値の正確な算出が可能となります。より効率的な材料開発、用途開発が可能となるため、大幅な開発・生産リードタイムの短縮が実現できます。機能性金属についてはぜひ太盛工業にご相談を。

2. MIM の品質保証は材料から!

安定品質実現のポイント

MIM は金属粉末を射出成形後に焼結を行いますが、この時粉末中の炭素含有量にばらつき等があると、焼結終了時の不良となって現れてきます。特に高精度の MIM となると、通常なら問題の無いほんの僅かの炭素含有が、致命的な不良率となってしまいます。
太盛工業ではこのような不良発生を防ぐために、最小感度 0.000001%(m/m)の超高精度で炭素含有量を分析可能な体制を整えています。実際の適用は MIM 生産品の中でも比較的多いステンレス粉末が中心ですが、ステンレス系以外の金属や有機・無機材一般に対しても使用できるため、新材料開発や試作時等における分析評価に活躍しています。高精度の MIM を検討される際は、ぜひご相談ください。

3. ガールズジュエリーの出展報告

太盛工業は1月に日本最大のジュエリー・宝飾の展示会である「国際宝飾展IJT」内で開催された「ガールズジュエリー展」に出展いたしました。工業用途の金属部品を取り扱う太盛工業にとっては非常にチャレンジングなこれまでにない取り組みでしたが、社内開発した「香る金属アクセサリー」が多くの TV取材を受け放送された事もあり、非常に高い関心を頂きました。これまでに無い業界の方と知り合うこともでき、とても有意義な展示会でした。今後とも太盛工業をよろしくお願いいたします。

<今後の展示会・学会 予定>
2016 年 6 月 Salon EPHJ-EPMT-SMT 2016(スイス)
2016 年 6 月 MEDIX(東京)

太盛工業の社員が語る今月のコラム

2 回目の登場となります、統括責任者の横田です。前回の記事ではガンプラ作りについてお話しさせて頂きましたがもう一つ夢中になっている事があります。車です!実際に街中に走っている車も大好きですがやはりラジコンなども大好きです。その中に組み込まれているギアなどのお引合がありますと仕事を忘れウキウキしています!是非そのような細かなパーツのお話がありましたら横田へ!喜んで VA/VE 診断させて頂きますよ!