μ-MIM技術ニュース Vol.44

精密金属射出成形(μ-MIM) 技術ニュースレター
Micro Metal Injection Molding Technical Newsletter

「金属射出成形 技術ニュースレター」は、金属射出成形に関する開発・設計者向けの技術情報をお伝えする技術ニュースレターです。印刷の上、ぜひ貴社内でご回覧ください!

太盛工業の 2017 年を振り返る

2017 年も残り少なくなってきました。今年の弊社をもっとも賑わせた市況の変化やお問い合わせ内容や印象に残った出来事を振り返ります。

1.多く頂戴したお問い合わせ内容

① 銅系材料の MIM 化検討

当ニュースレターでも何度かトピックスとして取り上げてまいりましたが、今年は銅系材料でのお引き合いを非常に多く頂戴しました。銅材は高い熱伝導性や電気特性から電子部品業界や放熱材料として古くから幅広い用途に利用されています。延展性に優れ加工性も高く、多くの工法で容易に加工可能な事から MIM への工法転換はあまりターゲットとされてきませんでした。しかしながら近年では弊社のμ-MIM の得意とするような他の加工法では量産できないレベルでの高精度・複雑形状・薄肉・異材質一体化などのキーワードからの展開が多かったです。

② 歯車部品の一体化・特殊歯車の製造

1周の間に諸元や位相が異なるギアや間欠ギア、モジュール違いの段付きギアなどMIM では金型からの製作のため特殊な工具は必要とせず、またどのような形状でも部品の一体化による高強度化と高い幾何公差を実現できます。さらに、機械加工では実現できないような複数の歯車の組み合わせや他部品との一体化について多くのお問い合わせを頂戴しました。特に小モジュールの歯車は機械加工ではサイズに合わせた特殊工具が必要となり、刃先の破損などが起こりやすくなるので、μ-MIM の得意とする領域で多くのメリットを発揮しました。加えて、既存の測定技術では対応不可能な歯車形状の評価で世界最先端の測定型マイクロ X 線 CT を利用したのも大きな魅力でした。

③ 品質管理、法規制への対応

社内的な内容でも ISO の 2015 年度版への移行や海外への事業展開の本格化。世の中のニュースでは大手メーカのデータ改竄問題から、各プロセスでの多角的なリスク管理、妥当なエビデンスデータの確保も今年の大きなテーマとなりました。
特に海外メーカとの取引では各種金属材料の規格自体の違いや、法規制、契約時の品質保証に向けた取り決めなど、細かな部分までシビアな違いが多く、今後ますます正確で柔軟な対応力が必要とされることを痛感しました。太盛工業ではこれからもお客様に安心してご使用頂ける製品づくりをモットーに社員一丸となって、万全な体制づくりを進めてまいります。

④ 既存技術では実現不可能な部品

MIM 技術自体の認知が高まり、近隣諸国での MIM メーカの増加とともに、通常のMIM 技術では実現不可能な領域でのお問い合わせも急増しております。単刀直入にお客様から「なぜ太盛工業は他の MIMメーカではできないような高精度の MIM が可能なのか」といったご質問を頂くようなこともございました。これまでの技術ニュースでも非常に多くのトピックスを取り上げてきましたように、MIM は複数の工程からなる加工法です。各工程でまったく分野の異なる樹脂・金属・流体・熱・計測といった非常に奥深い要素が上手く噛み合うことではじめて達成される技術ですので、それらのどの技術も欠ける事なく、ノウハウを蓄積し、開発を継続することで太盛工業が誇るμ-MIM が実現しております。これまでに従来弊社内でも実現不可能とされていた、銅-ダイヤモンドの複合材料の MIM 化や全箇所で厚み 0.2mm を下回る極薄肉部品、逆テーパ形状のマイクロ構造体などを実現致しました。太盛工業ではこれからも既存技術では実現不可能であったモノづくりへの挑戦をさらに加速させてまいります。

2.社内での印象的な出来事

2017 年、太盛工業は変化の一年でした。一番の大きな変化では社長の交代があり、20年前は期待の新人であった横田智行が45歳の若さで代表取締役社長に就任しました。奇しくも太盛工業株式会社は設立から45年と同じ年齢になります。若手研究者の中からは大久保健児が学会の MIM 技術評価委員会で来年度の委員長に選出されるなど、新しい時代の始まりを感じる一年でした。合わせて刷新しました会社ロゴデザインでは、現状に満足することなく新しいアイディアを形にし、質の高い製品を常に磨き上げ世に出していこうという会社の思いが込められています。来年も誠心誠意努力していく所存ですので、より一層のご支援を賜りますよう、弊社一同心よりお願い申し上げます。

<今後の展示会・学会 予定>
2018 年 1 月 オートモーティブ展

太盛工業の社員が語る今月のコラム

こんにちは、生産管理の郡晴美です。入社して20 年以上の月日が経ち、開発・製造・品質管理とあらゆる部署を経験させていただきながらも、現在は生産管理を担当しています。モノ作りの最終工程である「納品」業務を行なう時、指定日に指定の場所へお届けすることはもちろんですが、皆で作り上げた商品をお客様に気持ちよく受け取っていただけるよう、心を込めて梱包・発送業務を行なっています。
休日は友人とバンド活動を楽しんでおり、私はドラムを担当しています。市のイベントに出演したり、小さなお店の片隅で演奏することが多いのですが、いつか大きなステージで演奏してみたいな~♪と、小さな夢を持っています☆
写真は我が家の電子ドラムで、バンドメンバーに迷惑をかけないようにお家でこっそり練習しています☆